「わろてんか」 第104回
第19週 「最高のコンビ」
必要なのはやり遂げようとする覚悟・・・の巻
てんが初めて興行師として
プロデュースした、
ミス・リリコ アンド シローですが…。
デビューはほろ苦いものとなりました。
隼也) 何怒ってんのん。
漫才結構ウケてたやん。
リリコ) それはシローが失敗したん
笑われただけや。
あれは芸でも
なんでもない。
てん) そないな事…。
お二人が高座
に上がっただけで、笑う人ぎょうさん
いはったし。
ええ相方さんや思うえ。
隼也) そやそや! 美女と大仏の
コンビ、僕も面白いと思う。
リリコ) そのあげくがこれや。
(新聞記事)
リリコ) 「あはれ美人女優の末路。
素人相手に笑へぬ漫才」。
なあ、これからどないする?
てん) もちろん、ミス・リリコ アンド
シローでやってもらいます。
尻尾
巻いて逃げる気ぃはありまへん。
リリコ) うちも後に引いたら、それこそ
笑いもんや。
何かええ手考えんと。
てん) へえ。
**********
風太) 今日も、よろしゅうお願いします。
(仏壇に手を合わせる風太一家)
風太) よし。
今日も一日頑張るでぇ。
てん) おおきに、ありがとうさん。
風太) ところで、リリコとシローの漫才、
どないするつもりや。
トキ) へ?
風太) 大漫才大会優勝どころか、
新聞でもえらい書かれようやないか。
俺はな、社長が世間の笑いもんに
なんのが怖いねや。
隼也) おはようございます。
トキ) おはようさんです。
風太) ああ、お前からも何とか
言うたってくれ。
隼也) あの、お母ちゃんとおっちゃんに
お願いがあんねん。
てん) お願い?
風太) 何や、改まって。
**********
(お茶出しをしている隼也)
万丈目) すんまへん、ボン。
亀井) ああ、座っとくんなはれ。
風太) そないに気ぃ遣う事あらへん。
今日から隼也はここで、丁稚奉公
する事になったさかい。
栞) 丁稚奉公って…。
てん) ホンマ急な話ですんません。
けど、ちょっとずつでも仕事
覚えさそ思いまして。
風太) 俺の下で、一から寄席を勉強
させますよって。
甘やかさんといて
下さい。
ほいじゃ、挨拶や。
隼也) はい。
これからおっちゃん…
やのうて、専務のご指導の下、寄席
や演芸の事学んで、北村笑店の力
になれるよう、努力しますので、
よろしゅうお願いします。
(拍手)
**********
風太) 全国大漫才大会の報告書、
目ぇ通せたやろか。
亀井) えらい儲かりましたな。
万丈目) 文芸部が作った台本が
ええいうて書いてくれとるがな!
風太) 優勝したキース・アサリも、新聞
雑誌の取材の依頼が殺到してるし、出
演依頼もぎょうさん来てる。
この調子
で、日本中に漫才旋風を巻き起こすで。
てん) なあ、
ミス・リリコ アンド シローは?
風太) アカンアカンアカン。
あんなアウアウアウアウ言うてる
だけのもん漫才ちゃう。
隼也) お客さん時々わろてましたけど。
風太) お茶くみは余計な事言うな!
隼也) すんません。
万丈目) リリコには、新しい相方でも
見つけてやって、民謡でも歌わせて
やったらええと思うけどなぁ。
てん) けど2人はまだコンビ
組んだばっかりやし。
風太) いや、このまま結果の出んもん
にこだわってても、それこそ、社員か
ら女社長の道楽や言われてしまう。
てん) けど…。
風太) 伊能さんは、どう思います?
栞) 女性たちだけで、新しい漫才を作
り出そうとする思いつきはいいと思う。
だが、怖気づいていたら新しいもの
は生まれない。
今必要なのは、これ
をやり遂げようとする社長の覚悟だ。
それができないのなら、専務にお任
せした方がいいと思う。
**********
(仏壇の前に座り手を合わせるてん)
てん) 藤吉はん。
ミス・リリコ アンド
シローやったら、今までにない漫才
ができる思うんですけど…。
(回想・夢)
藤吉) てん。
(鈴を振るてん)
(振り向き、藤吉を探すてん)
(電話の呼び出し音)
てん) あっ、はい。
電・てん) はい、北村です。
伊能さん! 今日は役員会議
ありがとうございました。
電・栞) いや。
すまないね。
こんな夜分遅くに。
ちょっと、
言い過ぎたかなと思ってね。
電・てん) ああ…いえ。
伊能さんや、風太の言うとおりです。
やり遂げたい気持ちはありますの
やけど、何からしたらええか…。
電・栞) おてんさん。
電・てん) はい。
電・栞) 人前で悩むな。
へこたれるな。
一旦やると決めた事を
簡単に諦めるな。
これが社長の極意かな。
電・てん) へえ。
電・栞) そう簡単にできる事じゃないが。
電・てん) ああ…そうですな。
電・栞) じゃあ、もうひと頑張り、
期待してるよ。
電・てん) おおきに、
ありがとうございます。
電・栞) うん。
**********
風太) ええか? お前のお父ちゃんも
お母ちゃんもその雑巾がけから寄席
の経営を始めたんや。
そうやってな、
芸人の汗と涙、そして、お客さんの熱
気を肌で感じながら、一人前の経営
者になってったんや。
隼也) それは分かる。
分かりますけど、
僕はアメリカでショウをぎょうさん…。
風太) アメリカ禁止〜。
二度と口に出すなよ、修業中は。
ええな。
隼也) はい。
風太) よっしゃ。
てん) 専務、
一つお願いがあるんやけど。
風太) 何や?
てん) ミス・リリコ アンド シロー、
また、高座に出してもらえへんやろか。
風太) は?
楓) 専務。
2人に場数踏まして
あげたいんです。
お願いします。
てん) 今度こそ、
うちが必ず成功させます。
これは道楽やない。
れっきとして会社の事業や。
風太) まあ、そこまで言うんやったら、
昼席の前座ぐらいは考えん事もないな。
てん) おおきに。
頼んだえ。
楓) ありがとうございます。
てん) ほな、早速マンマン行って、
みんなに言うてくるわ。
隼也も、
専務の言う事よう聞いて、
しっかり気張るんやで。
隼也) はい。
風太) くそ〜俺も甘いな。
こら! 手ぇ止めんな、アホ!
隼也) はい。
風太) すぐサボんな、お前。
アホボンって呼ぶぞ。
隼也) 何ですか? それ。
風太) アホボンや。
隼也) 何ですか?
風太) おうおうおうおう、アメリカ
帰りはちゃうな。
かっこええな。
隼也) ハハッ、ありがとうございます。
風太) 褒めてへんわ! アホか!
**********
四郎) あんな失敗したのに、
また高座に、出られるんですか?
トキ) うちの人の事やから
クビや言うかと思いましたわ。
楓) そやけど、
実力認められた訳やあらへん。
リリコ) やっぱりキース・アサリ打ち
負かして、漫才のてっぺん取るし
かないな。
てん) とにかく、
やってるうちらが自信持つ事や。
四郎) 僕がちゃんとセリフ言えるよう
にならな。
譜面覚えるみたいに、何
万回でも台本読んで、しゃべくりでき
るようになります。
リリコ) よう言うた!
うちもその稽古つきおうたるわ。
てん) ほな、ミス・リリコ アンド
シローと、うちらの再出発や。
一同) へえ!
四郎) はい。
トキ) せっかくおなごがそろってる
んやさかい、もっとおなごらしい、
お二人の売り方考えまひょ。
楓) うちは、北村笑店で、雑誌を作っ
て宣伝したらええ思てるんや。
一同) 雑誌!?
楓) こないだ、新聞や雑誌で
こき下ろされましたやろ。
てん) ああ…。
楓) それやったら今度は、リリコさんと、
四郎さんの漫才挑戦への想いや人と
なりを、うちらが記事にして、逆に宣伝
したらええんちゃうかと思て。
てん) そらええな。
歌子) ほしたら、リリコはんに合わして
洋風弁当作って、寄席で売ったらどな
いやろ。
てん) ええな!
リリコ) そしたら、売店でうちの
ブロマイドも売るか?
トキ) ひゃ〜何か映画スタア
さんみたいやわぁ。
てん) すてきや! ブロマイドなぁ。
リリコ) あ…。
四郎のブロマイドも作るんやろか。
四郎) え?
(自分のブロマイドを思い浮かべる四郎)
(想像して笑うてんたち)
歌子) う…うちが一枚買うたるわ。
とにもかくにも、
ミス・リリコ アンド シローを
売り出すための、
てんたちの奮闘が、
また、始まりました。
**********
「わろてんか」を楽しくご覧になってる皆様
は、この先は華麗にスルーでお願いします。
風太が隼也を指導する場面を見て、お前が
言うなと思ってしまった。
そもそもてんと藤
吉があまり働かなかったし、風太もまんじゅ
うを食べているか、文句を言ってるか怒鳴っ
ているかばかりで、働いていたイメージがな
いんだよね。
あったとしても忘れるレベルw
何だかすっかり変なキャラにされちゃったよ
ね、風太は。
本来なら、もっと愛されキャラ
になっていておかしくなかったはずなのに。
栞様も、妙に思わせぶりなキャラにされて
しまってるし…隼也も中途半端な感じだし。
ただ、物語的には、仕事らしくなってはいる
し、だいぶ見やすくなっていると思う。
同時
に、やっぱり藤吉のキャラは失敗だった事
が明らかになってしまったというか…邪魔
だったよね、はっきり言って藤吉の存在は。
史実通り、もっと早くからてんに活躍をさせ
ていればよかったのに。
藤吉を史実通りの
キャラにする必要はないけど、退場の時期
は明らかに間違えたと思う。
ようやくてんの
ターンになったのに、悲しいくらい存在感
がない。
もっとてんに手柄を与えてやって。
全部、てんが思いついてもいいぐらいだよ。
人前で悩むな。
へこたれるな。
一旦やると決めた事を
簡単に諦めるな。
これが社長の極意かな。
今日は、滅多にない(酷)いい感じのセリフ
が出てきたのでそれでヨシということで…。
まあ、ものすごく普通だけど、わろてんか
の世界では、マシに聞こえるから怖いわ…。
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